大桑村災害ボランティアアマチュア無線クラブ(JR0ZFE)では、IP通信(VoIP)を使ったWIRES-XとEchoLinkにそれぞれアマチュア無線機を接続することでVoIP通信と無線通信の相互通信が行える環境を整備しています。これによりVoIPを使って世界中から大桑村のアマチュア無線局と無線にて通信が可能となっています。
その仕組みを下図を使って説明します。①インターネット経由でEchoLinkで受信した音声信号はWIRES-Xとトランシーバーの両方に送られます。同様に②WIRES-Xからインターネット経由で受信した音声信号はEchoLinkとトランシーバーの両方に送られます。これにより、EchoLinkとWIRES-Xの相互通信が可能となると同時に、③EchoLinkとWIRES-Xのいずれかから受信した音声信号はトランシーバー(144.54MHz)で送信されるようになります。また、④トランシーバー(144.54MHz)で受信した音声信号はEchoLinkとWIRES-Xの両方に送られます。これられにより、EchoLink、WIRES-Xおよび144.54MHzでの無線通信の全ての相互通信が可能となっています。
WIRES-XはJR0ZFEルームに常時接続しています。このJR0ZFEルームは144.60MHz(デジタル:C4FM)と430.80MHzのトランシーバーに接続されているので、144.54MHzに加えて、144.60MHzと430.80MHzからでも上記相互通信に参加することが可能となっています。

この相互通信システムにおいて障害が発生した場合の対応訓練を行いました。訓練では、クラブメンバー各局に訓練を事前通知しないで下図の通りWIRES-XのJR0ZFEルームがダウンしても、クラブメンバー各局が状況を把握し代替手段にて定時連絡通信に参加できる事を確認しました。
下図のようにJR0ZFEルームがダウンすると、インターネット経由でのWIRES-X接続および、144.60MHzと430.80MHzによる無線接続ができなくなります。定時連絡通信に参加するにはEchoLinkによるインターネット経由の通信か144.54MHzでの通信のみが相互通信するための手段となります。

訓練ではクラブメンバー各局とも状況を把握し、利用できる通信手段を特定し無事に定時連絡通信に参加することができました。
なお、この訓練のなかで、WIRES-XのJR0ZFE-ND4(Node# 15274)にノード to ノード接続することでも通信に参加出来ることを確認しました。ただし、この接続は単一ノードのみが接続可能という制約が発生します。
今後とも災害発生時を想定した通信網確保のための通信訓練を行っていく予定です。
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